*健康教室 六甲ハートクラブ

仮面性高血圧について

神戸市灘区 内科・循環器内科 竹内内科 健康へのヒント 「仮面性高血圧」とは

診察室で測った血圧が正常であっても、ふだんの生活では血圧が高い最近話題の「仮面高血圧」をとり上げました。
 室内と戸外の温度差が大きくなる冬場は、外に出た時に急激に血圧が上昇するため、 脳卒中や心筋梗塞が起きやすい季節です。日本高血圧学会は、日本に現在、高血圧の人がおよそ3500万人以上いるとし、2004年10月に4年ぶりの高血圧治療ガイドラインの 改訂を行いました。主なポイントは以下の3つです。
1)厳重な血圧降下を治療目標とする
2)24時間にわたる血圧降下の重要性
3)生活習慣修正の重要性
 今回は特に厳重な血圧降下と24時間にわたる血圧降下の重要性に関連した「仮面高血圧」についてお伝えします。
  最近の欧米の報告によれば、高血圧患者さん15万人を対象に心臓病や脳卒中の発症 と血圧の薬による血圧低下の関係を調べると、血圧が投薬で十分下がっている程、心臓や脳の病気の発症が少ないことがわかっています。またわが国においても、2004年 の厚生労働省人口動態統計によれば、年間死亡総数98万人のうち心臓や脳卒中で亡く なった方は約3分の1に及び、国民全体として収縮期の血圧を2mmHg低下させるだけで心臓や脳卒中で亡くなる方が年間2万人減少すると発表しています(健康日本21)。やは り厳重な血圧管理が重要といえます。 日本高血圧学会による高血圧治療ガイドラインでは、 ・正常血圧は130/85mmHg未満 ・140/90mmHg以上を高血圧と診断しています。 また高血圧と診断された方の治療目標は、 ・高齢者でも140/90mmHg未満 ・若年・中年者であh130/85mmHg未満 ・糖尿病や腎臓病を合併している方ではさらに低く130/80mmHg未満です。 血圧には日常生活の睡眠、活動サイクルに即した生理的日内変動が知られています。 この血圧日内変動の異常として、日常生活では正常血圧(135/85mmHg未満)であるに もかかわらず、病院の診察室での血圧が高い(140/90mmHg以上)「白衣高血圧」があ ります。最近の研究により白衣高血圧は積極的に治療しなくてもさほど心配のないこ とがわかっています。一方、診察時の血圧が正常であっても、診察時以外の家庭や職 場の血圧が高値を示す、逆白衣高血圧また隠れ高血圧ともいえる仮面高血圧 (masked hypertension)が知られています。この仮面高血圧は「心肥大」や「腎障害」などの臓器障害が進行しやすいことがわかっており適切な治療が必要です。 たとえば下図に示した方は、血圧の薬服用中の外来血圧は140/90mmHg以下の正常粋で、一見治療経過が良好に見えますが、携帯型の血圧計を使って24時間の血圧を測定 してみると診察の時間帯以外は、家庭血圧の基準値135/85mmHgを超え、「正常血圧と いう仮面をつけた高血圧」であることがわかります。

仮面性高血圧のグラフ

 

*

 

神戸市灘区 内科、循環器内科の竹内内科 健康へのヒント「高血圧1/2の法則」とは

 一般に外来治療中の患者さんで外来血圧が140/90mmHg未満とコントロール良好と判断された例であっても、その半数以上が家庭血圧では135/85mmHg以上を示すコントロー ル不良例であることが知られています。
  つまり高血圧治療を受けている患者さんの半分の半分、約1/4しか高血圧治療が十分なく、高血圧治療の現場では「高血圧1/2の法則」と呼んでいます。
  下の図は最近フランスの研究グループから発表されたデータですが、十分に治療され ている群(左端の棒グラフ)や白衣高血圧の群(左から2番目の棒グラフ)に比較し て、外来では正常でも家庭では高い仮面高血圧群(右から2番目の棒グラフ)は、コ ントロールされていない高血圧治療群(右端の棒グラフ)と同等以上に危険性が高い ことを報告しています。つまり「外来血圧だけではなく、家庭血圧を指標とした高血圧治療が重要。」であることがわかります。

家庭血圧と外来血圧

 

*

 

神戸市灘区 内科、循環器内科の竹内内科 健康へのヒント「家庭血圧測定のすすめ」

当院でもこのように危険な仮面高血圧を見逃さないためにもできるだけ多くの高血圧治療の患者さんにご自身で家庭血圧を測っていただいています。測定は、日本高血圧学会「家庭血圧測定のガイドライン」にしたがって、起床後30分以内、また就寝前に測定してもらい、下図のように毎日血圧管理手帳につけ治療の参考にしています。

血圧手帳

日本高血圧学会による家庭血圧測定のガイドラインでは家庭血圧測定条件設定の指針 を下記のように定めています。
条件:家庭血圧は以下の条件で測定されることが望ましい
朝:起床1時間以内  
  排尿後   座位(1-2分安静後)−日常の座位   朝食前、服薬前
晩:就床前
  座位(1-2分安静後)
その他必要に応じて職場、夕食前(晩の服薬前)、深夜等

 

健康へのヒントイメージ