*健康教室 六甲ハートクラブ 心臓病の話

心臓病の話

神戸市灘区 内科・循環器内科 竹内内科 健康へのヒント 心臓病の話

●心臓病のはなし


最近「おもいッきりテレビ」「ためしてガッテン」「今日の健康」などのテレビ番組でもよく話題になりますが、皆さんの中に健康診断で「あなた血圧が高いですね」「コレステロール、中性脂肪が上がっていますね」「尿に糖が出ていますよ」と云われた方はおられませんか。

高血圧、高脂血症、糖尿病は心臓病や脳卒中をひきおこし、これらには食習慣、運動習慣、喫煙、飲酒といった生活習慣の歪みが関与しているため、厚生省は平成8年に従来の「成人病」にかえて、それらを「生活習慣病」と名づけました。つまり「高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満は互いに関係し、命にかかわる大病の原因になりますから、食生活や運動など生活習慣に気をつけましょう」ということです。時を同じくしてアメリカでも「まず生活様式(ライフスタイル)の改善をはかりましょう」と勧めています。今日は心臓病と心臓を守る日常生活についてお話しします。

心臓病でなくなる人の数は、年々増えています。厚生省の調査によれば心臓病は死因の第二位で、悪性新生物(がん)に次いで多くなってきています。 特に働き盛りの人が何の前兆もなく、突然死亡する”突然死”の問題がよく取り上げられます。心臓病が原因で突然死する確率はかなり高く、突然死の6ー7割が心臓病によるものです。年間5万人が亡くなっており、なかでも心筋梗塞によるものが増えています。心筋梗塞を起こした人がすべて死にいたるわけではありません。心筋梗塞の前兆である狭心症や冠動脈の病気を早期に発見することが、突然死を防ぐために重要です。

さて心臓病が疑われる症状はどんな症状でしょうか。坂道、階段で息苦しい、胸の中央部で圧迫感がある。動悸(ドキドキ)、脈の乱れ、むくみなど、そんな症状を自覚される方は一度、循環器専門医に診察を受けたほうが良いでしょう。

心臓病といえば以前は心臓弁膜症や先天性心臓病が代表的でしたが、今は不整脈、狭心症・心筋梗塞が増えています。狭心症は心臓の筋肉が酸素不足になる病気です。心臓の筋肉に酸素や栄養を送っている冠動脈が動脈硬化によって狭くなると血流が悪くなり、心臓の筋肉が酸素不足になって胸の痛みなどの症状がでます。狭心症が進行し血管が完全に詰まると心筋が壊死する心筋梗塞になります。
狭心症の症状は坂道、階段で胸が痛くなったり、胸全体の圧迫感が代表的ですが、背部痛、左腕の痛み、あごの痛みなど胸以外に痛みを覚えることもあります。ですから心臓病の診察では医師に症状と経過を詳しく伝えて下さい。

心臓病の診断のために心電図が有力な検査になります。特に運動時の心電図(マスター2段階テスト、トレッドミル、エルゴメーター)は必須の検査で安静時の検査ではわからない重要な情報が得られます。また日常生活中の心電図を知るホルター24時間心電図検査も自覚症状がないときの狭心症発作や不整脈の検出に有用です。他に心臓の機能を知る心臓超音波検査不整脈、心筋の血流がわかる心臓核医学検査、最終的に診断し治療法を決定するための心臓カテーテル検査があります。もし狭心症であることがはっきりすればまずお薬の治療が必要になります。狭心症の基本の薬といえば血管を拡張させる硝酸薬、心臓を休めるベータ遮断薬、血管の緊張を和らげるカルシウム拮抗薬、血液をサラサラにする抗血栓薬(アスピリン)があり、これらを病状にあわせて組み合わせます。

お薬の治療だけで十分治療効果が上がらないとき、最近では開胸手術せずに、狭窄した血管を拡げるカテーテル治療が用いられます。風船で血管を拡げるPTCA療法が一般的ですが、最近では動脈硬化血管の狭窄部分をカッターで削り落とすアテレクトミー(DCA)、狭窄部分をドリルで粉々にして開通させるローターブレーター、血管の狭窄部分にメッシュ状の金属を入れて補強するステント術などができるようになり治療成績が一段と良くなりました。一方、狭心症の外科的治療として狭窄部分の血管を迂回する冠血管バイパス手術の技術も向上しています。

心臓病を引き起こす危険因子には高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満、喫煙、ストレスがあります。これら生活習慣病は良い生活習慣(ライフスタイル)により予防でき、心臓病を引き起こす危険が少なくなります。つまり心臓病になることを心配するより、心臓病にならない生活、また心臓病になった方は再発させない日常生活を心がけましょう。

 

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